メガネデザイナーの敗北とは?

【メガネデザイナーの敗北とは?】


メガネを掛けての自撮り。

こういう掛け方をされたらメガネデザイナーの敗北を意味します。

だって「眼鏡外すと美人でしょ?」と言われてる様な物だもんね。下着デザイナーがデザインしたパンツを顔に被られる様な屈辱感。


幸い私のまわりではいませんよ^_^



でも昔ファッションショーがあった際にメガネでの提供をした時の事。プロのモデルさんがメガネを使ったポージングをする際にこういう動作をした事があって、私はブチギレしもう貸さないと駄々こねた経験あります。


ああ恐ろしや 千本試着

【ああ恐ろしや千本試着】


メガネは実際に顔に掛けてみないと良し悪しなんて解らない。特に私の作品などはお顔とセットにバランスを取りながらデザインをしてるのでメガネ単体を眺めるだけでは何もわからない。

だから遠慮なく試着して欲しいんだ。



 でも昔々の20年前に私が眼鏡店店長だった頃の出来事をふと思い出した。


1週間に1度のペースでそのおねーさんは店に現れて、千本以上ある店内の全メガネを数時間かけて試着し結局何も買わずに帰るんだ。

全部だよ全部。

女性用だけならまだしも男性用であろうとスポーツ用であろうと何から何までとにかく110秒ペースで機械作業の様に全部掛けるんだ。

真剣に眼鏡を選んでる風では決してない。

鏡もあまり見ない。

乱雑に扱うから常にヒヤヒヤもん。

サイズの小さい子供用まで掛けようとするから流石にそこは声を掛けた。

明らかに時間潰しだ。


試着ぐらいさせてあげたらいいじゃないと皆さまは思われるかもしれないが、帰ったあとに全スタッフでメガネに付着したファンデーションを千本以上拭き取らなければならないからその日は他の仕事が出来なくなるんだ。


何週間かして次第にスタッフの顔にも怒りの表情が現れだした。あるスタッフがそのおねーさんの横ですぐに拭き掃除をしだしたんだ。

実に失礼極まりない行為なのでやめさせたが気持ちも痛いほどわかる。


 店長としてはなんらかの対策を練らなきゃ。


3ヶ月ぐらい続いただろうか。そのおねーさんはピタッと来なくなったんだ。あれから20年ぐらい経過した。でも未だにあれは何だったのだろうかと謎で仕方がない。

別世界へのご招待?



「今流行ってますよ」とか

「皆さん買っていただいてます」とか

「今年のトレンド」とか…

そういうセールストークには何一つ心に響かない私。


それでも

「別世界へのご招待」という言葉はたまらなくドキドキする


Invitation to another world

この文句を影郎ケースに刻印した理由はここにある。


以外定形文

【影郎デザインワークス】

メガネフレームをデザインしてます。

通販はせず全国の取引店にて販売。そして岐阜県大垣駅前にて予約制の眼鏡ギャラリーを運営しておりそちらでもご購入いただけます。ギャラリー御予約はこちら

http://kagerodw.jugem.jp/?eid=688#gsc.tab=0


私は3度死ぬ

人は2度死ぬといわれている。

 

1度目は肉体が滅ぶ時

2度目は人々の記憶から消える時

 

ただ芸術家には3度目がある。

肉体が滅び、記憶からも消えて、その作品がある限りまだ生き続けれるわけだ。

そんな光栄なお仕事だからこそ私は当然のように独自のデザインにこだわり芸術家を目指したいのだと思う

 

今は亡き私の父は日本画家だった。

いつも絵と向き合っていたために子供の頃にあまり遊んでもらった記憶がないぐらいだ。

 

絵は今でも神戸の実家の押入れに収納されている。

押入れの中では父は今でも生きているが残念ながら絵は外には出れない。絵を背負って街を練り歩く人はいない。よほど有名な画家であれば死んだあとも個展でご披露出来るかもしれないが所詮は壁に飾られるだけの運命しかない。

 

でも眼鏡ならばそれを掛けて歩いてくれるわけだ。

恵まれた仕事だ。

 

そんな恵まれた仕事なのに、まさか他人さんのデザインを真似したいなんて微塵も思わないし、思えないのはご理解いただけると思う。