新作「PORNO5」製作秘話 2

 初代「PORNO」のメタルバージョンが作りたい!

って話を前回にした。その話を続けるには昔々にさかのぼらなければならない。

 

これは私が結婚して間もない頃

義母がカミサンにこんな事をいうんだ。

「あんた 目描いたの?」

「あんた 目入れたの?」

一体なんの事だ?

私は関西出身なので岐阜の言い回しはさっぱり解らない。これが岐阜の言い回しなのか義母独特の言い回しなのかもわからない。

あとで聞いたら「目を描く」というのは「化粧する」という意味。

「目を入れる」というのは「コンタクトレンズを入れる」の意味らしい。

 

化粧とは無縁の私だから「目を描く」という女性独特の行為が冷静に考えてみたらなんか滑稽に思えてきたんだよね。

だって他の生き物は目を描いたりしないもんね。

アイラインを使ってわざわざ目の輪郭を描かなくてもいいように、アイラインの役割もするメガネを作りたい。

そんな経緯があって初代PORNOが完成したんだ。

 

つまりこの作品に求められる役割とは

*アイラインの役割をする事

 そのためには黒もしくは肌よりも濃い色で、しかもアイラインのように細い事が重要。

 

そしてもう一つある。

*アイラインの役割をしてるとはだれにも気付かれないデザインである事。

 

アイラインを入れたいと思うのは女性だけに限らない。フレディーマーキュリーでもないかぎり男性はアイラインを入れないのが普通。だったらメガネでその役割を果たしちゃえと思ったんだね。

 

下の写真が初代の「PORNO」

 

 

たしかにこの初代「PORNO」のデザインを見た時に大体のメガネ屋さんやお客様は最初は躊躇する。

しかし掛けた瞬間に顔が激的に変化してしまう仕組みなんだ。その意外性が感動を呼んだ。

感動というのはこのように予測不可能な意外性の中から生まれるものなのだ。

 

それからというもの初代PORNOはシリーズ化され

PORNO(初代)

裏PORNO(初代PORNOの図面を裏返しただけ)

NEW PORNO

PORNO−DX

初代PORNO復刻版

PORNO2

PORNO3

PORNO4

番外編にPARNO(羽根つき餃子のように初代PORNOに羽根をつけた)

と開発していったんだ。

 

しかしまだ無しえてなかった事。

初代PORNOのデザインのままにメタルフレームを作る事だ。

 

先ほども書いたようにこの作品の条件は 黒もしくは肌よりも濃い色でしかも細い事。

この細さでも耐久性を問わなければメタルフレームで作れないわけはない。

私がいつも採用している2mm厚のチタン材+ワイヤーカットという手法はフロントに穴を開けれないという欠点を持つが、フニャフニャの1mmのベータチタンやフニャフニャのステンレス素材を使えば簡単にPORNOのメタルバージョンを作る事が出来る。

 

でもね。シートメタルとかいうあのフニャフニャは私はちょっと敬遠したいんだ。

 

穴があけれないという製造上の欠点の為に初代PORNOのメタル化は諦めざるをえなかった。

2mmチタン+ワイヤーカット製法は一筆書きのような1本につながったラインであればどんな複雑なラインでも具現化は出来る。だからジグソーパズルのような作品「PORNO2」、ビリビリに破れたような作品「PORNO3」を作った経緯がある。これはこれで面白いが当初の目的である初代PORNOのメタル化とは程遠いものとなったんだ。

 

製作秘話 3 へ続く